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ワークサンプルとは?手法・メリット・デメリットをわかりやすく解説
2024年2月6日
労働力の減少に伴い、企業はより優秀な人材や自社にとって即戦力として活躍できる方の確保は企業成長の重要な要素となっています。そのため、入社前にお互いにとって機会損失とならないような工夫の1つとして、ワークサンプル(ワークサンプルテスト)を導入する企業も増えています。ここでは、ワークサンプルの最新情報と事例もご紹介します。
ワークサンプルテストとは
ワークサンプル(ワークサンプルテスト)とは、簡単に言うと「実際の業務を想定した企業独自のテスト」になります。実務を想定したテストになるため、従来の面接だけでは見えにくい部分を知ることができるという点で注目されています。
また日本の労働力は近年減少の一途を辿っており、採用後の定着率やエンゲージメントの向上も重要になっている背景もあり、入社後のミスマッチは企業のみならず、転職者にとっても不幸な結果となリます。
ワークサンプルテストを実施することにより、入社後のメンターや配属先のチーム、育成プランなどに必要な情報を事前に獲得できる点としても注目されており、入社後のオンボーディングにて適切なフォローで早期立ち上がりの支援にも使われています。
メリット・デメリットとは
メリット
ミスマッチの減少
面接だけではわからない実務面におけるスキルを把握することが可能です。
実務レベルの把握
書面ではわかりにくい、実際の実務においての考え方や実行方法などがワークサンプルを実施することで確認することが可能です。
入社への動機づけ
実際の働くイメージやコミュニケーションを通じ、相互理解の促進に繋がります。
デメリット
採用工数の増加
通常の面接フローに追加してワークサンプルを実施することが多く、採用工数の増加となリます。そのため、企業側・候補者側ともに選考工数が増えることによる負担が発生します。
事前準備
ワークサンプル実施に際して、設計〜実施までの準備が必要不可欠です。実施するテストはもちろんのこと、評価基準の作成などの事前準備として必要になります。
選考辞退の発生
選考長期化による選考辞退の発生も想定されます。候補者の方の他社選考状況なども意識し、辞退とならない様に注意が必要です。
ワークサンプルの実施方法と実施タイミング
ワークサンプルの主な実施方法
ワークサンプルは主に3つのパターンで実施するケースが多くあります。
ロールプレイング型
主に営業やCSなど顧客接点が多い職種で実施されることが多く、実際の業務に近い内容で実施します。企業側としては、どんなスタイル方法でお客様と接するのか?また入社時にはどんな点をサポートし、早期立ち上げをしてもらうのか?を知ることができます。
また、候補者の方は実際の業務を疑似体験できるため入社後のイメージがしやすくなります。
ディスカッション型
幅広い職種で実施されるるのがディスカッション型になります。ディカッション型は事前に企業側が設定したお題を元に、当日ディスカッションを進めていきます。例えば、「○○のリード獲得率を120%にするための施策とは?」「○○の業務改善についてのディスカッション」「○○のシステム改善について」など、様々なテーマで実施されています。
レポートなどの書類提出型
こちらもディスカッション型と同様に幅広い職種で実施されている型です。提出期限は概ね1週間程度で提出、もしくは次回の面接前日に提出をしてもらうケースが多くなっています。
実施タイミング
ワークサンプルを実施するタイミングは企業により様々ですが、2次面接の前後での実施が多くなっています。
2次面接前後で実施される背景としては、中途採用であれば3回の面接(1次・2次・最終)が一般的となり、2次面接では現場の責任者が自部署とのフィット感やスキルを確認することがほとんどのため、2次面接前後での実施が多くなっています。
ワークサンプルを実施したが、失敗例してしまった事例
上記ではワークサンプルのメリット・デメリットをお話ししてきましたが、実際に実施したものの失敗してしまったケースもあるのも事実です。ここでは実際に失敗した事例を1つ紹介します。
【A社の事例】
A社では2次面接実施後に初めてワークサンプルテストを実施しました。ロープレの課題は現場の責任者が用意し、人事から候補者の方へ共有し、実施された内容となります。
何が失敗だったのか?
ワークサンプル実施後、現場の責任者が最終に進めようと検討している最中に、ご本人より辞退の連絡が入りました。ご本人の辞退理由は「他社の選考を優先したい」とのこと。すぐに人事がご本人に連絡を取り、辞退理由の詳細を確認すると、以下の点が今回の辞退に繋がっていることがわかりました。
- 選考結果が遅くなっており、結果を待っている間に他社で選考が早く進んでいた。
- ロープレをやることで、業務のイメージは持つことができたが、ロープレの内容がシステムの機能を知らないと答えられないなど難しかった。=自信を無くしてしまった。
- ロープレ当日のフィードバックに対して納得感が得られず、何を評価されているのか曖昧だった。
上記の内容からわかる課題としては以下の点が挙げられます。
- 選考スピードが遅くなってしまった。
- ロープレ内容の課題
- 評価基準
次の項目では上記の課題が起こった原因と改善策についてお話しします。
上記の原因と課題を改善するためには
実際にこの様な実際の場面を想定してロープレを実施することは良くあるケースであり、どの企業においても起こりうる内容です。
まず1つめの「選考スピード」についてですが、上記デメリットでも説明した通り選考回数が多くなる分、選考のリードタイムが課題となります。今回のケーススタディではすでに2次面接終了後に別日で実施しており、他社選考を受けている候補者の場合は他社選考の進み具合を確認しながら迅速に進めていく必要がありました。
また、「現場の責任者が最終に進めようと検討している最中に辞退」という点でも、現場側と人事側で評価基準の目線合わせを事前に行い、迅速にジャッジをする必要もあったケースになります。
2つめの「ロープレ内容の課題」については、こちらも良くあるケースです。現場側で用意した題材ですが、何を評価したいのか?という点を事前に擦り合わせておく必要があります。もちろん候補者の方はサービスの概要については事前に学習しておく必要はありますが、システムの機能など実際の実務で聞かれる様な実務的なところはまだわからない点も多くあり、ロープレの担当者役を行う方と事前にゴールを決めておくことが重要です。
3つめの「評価基準」についてはワークサンプルを導入したがうまくできてないケースに多くあるのがこの課題です。ワークサンプルでは面接ではわからない多くの情報を獲得することができます。そのため、「判断に悩む」ということで評価を後手に回してしまうことも多々発生しやすいのが特徴です。
これらは事前に現場・人事で何を評価するのか?という点を決めていないまま実施している場合が多く、機会損失になってしまうことがあります。
また多くの情報を得られるという点では、GOOD・NG(良い・だめ)の評価ではなく、GOOD・MOER(良い・もっと良くなる)の評価をすることも効果的です。理由としては、ワークサンプルで得られた情報をもとにオンボーディングの計画や、今後のワークサンプルの改善点などを見つけ出し次に繋げていくことが重要となります。
大事なのはワークサンプルの事前設計と運用
ここまでメリット・デメリット・失敗事例をご紹介してきましたが、上手に実施・運用している企業に共通していることは事前設計と運用になります。例えば、すでに実施を長年行っているラクスル社などは、採用における1つの文化として根付くまでになっています。
▼ラクスル社:ワークサンプルに関するDeck
ワークサンプルを実施することで得られることが多い一方、いつ?どんな方法で?どんな評価をしたいのか?などは重要ですが、これらの選考過程を通じてどんな選考体験をしてもらいたいか?ということも念頭において設計することが大切です。
まとめ
この記事ワークサンプルについてご紹介しました。
上記の内容のもっと詳しい内容や事例については資料よりご覧いただけます。ぜひ資料請求よりご覧になっていただき、より良い採用活動に繋げていただければと思っております。